東京駅でジョルジョ・モランディ

大きな東京駅の一角の東京ステーションギャラリーで

モランディの作品を鑑賞。

ささやかに置かれたビンやカップや花瓶たちが

静かに会話している淡いグレーの空間には、

日常の喧騒から逃れた静かな時間が流れる。

 

モチーフの知っているものの形を追いながら

取り囲む背景を見てみると絵筆の動きがよくわかる絵具の痕跡。

作者が見つめていたモチーフと描いている手を同時に意識させられる。

時間、空気、モチーフといったそこにあったものが

ここに確かにありますと示されているよう。

 

時おり、ガタンと揺れがあり、電車が近くに走っている今の空間に意識が戻ってくる。

作品を味わっている自分が今ここにいるんだな。