すべては初めて起こる

いいことも悪いことも“すべては初めて起こる”。

そう思うと一つ一つの出来事と丁寧に向かえる気がする。

 

“すべては初めて起こる”は,すでに会期が終了してしまった

大森克己の写真展のタイトル。

よいタイトルだと思った。

 

展示されていた桜色の写真は,身の回りから福島まで

桜のある風景にカメラを向けたもの。

一部強い光でハレーションが起き,風景を光で見えなくしてしまっている。

続くはずだった道がさえぎられかけていたり,

確かにそこにあったものをしみじみ感じさせたり。

知らない町の風景に佇んでいたものを想像した。

 

「放射能,撮らなきゃ(写らないけど)」と感覚的に考えたことの

制作メモのような言葉もあった。

目に見えずに確かに存在しているものが,

間違えなく日々に影響を及ぼしているということを再認識させられる。